はじめに

こんにちは、しこです。

今日はもともと短期トレーダーだった僕が、なぜ長期投資、機関投資家にジョブチェンジ(?)をしたのかを書いていきます。

短期投資から長期投資へという、需要の少なそうなタイトルですが、本当にいろんな人に最後まで読んでほしいです。なぜなら短期投資とは短期欲求とイコールといってよく、世の中にはびこる短期的欲求、短期思考を表していると思うからです。そこから僕がいかに脱却し、より長期的な視点を持つ事ができるようになった(と思っている)経緯を知っていただくことは、皆さんがこれから生きる上で持つ視点に何らかのポジティブな影響を与える事が出来るかもしれないと思っています。

投資を始めた詳細な理由や僕のライフストーリーは、自己紹介記事を読んでいただければと思いますが、高校時代に株式/FXの短期投資、大学以降はビットコインFXのマシーントレードなんかもしていた僕が、コンサルを挟んで今は職業として長期投資家の見習いをしています。

今回の記事は必ずしも短期投資を全否定する内容ではありませんし、一定期間自分も没頭していましたし、一定の成果を出す事が不可能ではないと思っています。

ただし、短期投資で継続的にアルファを出す事がいかに難しく、かつ成功したとしても人生の幸福度を落としかねない理由を書いていきます。

今回は短期ってどれくらい?長期っていつまで?と言った細かいことには言及しませんが、テクニカル/ファンダ、短期/長期、アクティブ/パッシブのような思想の違いはどこか別で記事にしようと思うので、悪しからず。

短期投資歴

なぜ短期トレードを始めたか

自己紹介記事にも書きましたが、僕はお小遣いが少なかったのと、中学の友人に金持ちが多かった事から、中学以降色々な金策に走っていました。自分の人生がイマイチパッとしない、楽しくないのは金がないからだと本気で思っていました。

中学時代には友人のPSPを改造してメンテ費をもらったり、ゲームのノウハウサイトを作ってアフィリエイトしたり、高校時代にバイトを始めたり。これはプロセスとしてなかなか楽しかったのですが、途中で気づいてしまったんですね。

このままコツコツストック的に時間売りのビジネスをしていても金持ちには一生なれないじゃないか、フザケンナ。ということで、本屋に走りました。いつも走っています。

高校2年の時に読んだ「金持ち父さん貧乏父さん」で、自分がやっている金儲けには再現性はあれど、直線的な伸びしかしないことを理解しました。

世の中には利益を再投資することで複利で増やすビジネスと、労働を投下してコツコツ増やしていくビジネスがあるということを学びました。

資本の再投資によって複利リターンを得るには、どうやら株式投資というのがあるらしい。当時はSBI証券を筆頭に、ネット証券の普及やミニ株での投資が可能となり、門戸が開かれていたのですね。

16歳の夏、貯めていた20万で株式投資を始めました。

短期投資の勝算

当時の僕のロジックは、こうでした。

プロでも年率15%行けば御の字、投資レジェントのバフェットでさえ、この60年間、複利で26%しか稼いでいない(実際これはものすごい事なのですが)。このまま俺が20万で年率15%運用し続けても、年3万しか儲からないじゃないかと。そんなんバイトした方がええやんけ。

フザケンナということで、もっと効率の良い投資法を探すと、短期投資(スキャルピング/デイトレ)に行き着きました。その日とか、次の日に売買を完了する、波乗りのような投資方法です。しかも分散投資はしません。1社に集中投資しないと効果が薄れますから、常に全力一銘柄投資です。例えばボロ株(1株100円以下)のストップ高なんかに乗れると、1日で50%とか動くんですね。これは効率的だと。

毎日ストップ高とか材料のある動意づいた銘柄に乗り、ちょろっと数%とるのを20日(マーケットは1ヶ月で20日開いています)繰り返すと、リターンは50-100%だな。

50%の12乗で、12ヶ月(1年)で100倍になるぞ。これなら20万が2000万になる。十分だなと。明らかに取らぬ狸の皮算用なのですが、短期投資家の思想というのはこんなもんです。(俺だけかな?)

でも、最近の短期株式やFX、ビットコインやバイナリオプションで稼ごうみたいな人の90%は、このレベルの思考だと思います。

その後どうなったか

基本的には短期の値動きというのはランダムです。俗にゼロサムゲームと言われるやつですが、実際は取引手数料(0.03%とか)分期待値はマイナスです。

その中でもどうにか再現性高く継続的にアルファ(リターン)を出すのが短期投資トレーダーが考えている事なのですが、いかんせんランダムウォークですから、それが再現可能なのかはどこまで行っても定かではありませんね。(コインの表裏を10回連続で当てられる人は1000人に1人います。彼は次も確実に当てる事が出来るのでしょうか。)

僕の場合は、20万で始めた当時はPERやPBRといった指標を見て割安株に投資をしていたので(始めは短期投資ではなかった)、30万円くらいになったあとで投資先の倒産でゼロになりました。風呂で夜口座を見たときは絶望しましたね。高校生に20万は結構でかいです。

そのあとしばらくは投資から遠ざかり、受験勉強をしていたのですが、大学に入って時間ができ、バイトやビジコンである程度金が出来ると、再度投資を始めました。今度はモノホンの短期投資です。

50万で始めて、あれよあれよと500万まで増えました。ここでの僕の思考は、さっさと1億作って大学を辞めようということでした。この短期思考、本業への集中のなさ、身を滅ぼしかねない思想が、まさに短期投資への中毒者に特有な思考だと今振り返ると思います。とにかく取らぬ狸の皮算用で、現実の辛さから逃げるという構図です。

1年強で10倍になりましたから、あと1年で20倍にすれば大学を辞めれるぞ、ということで、レバレッジを取り入れました。コインの裏表を10回当てられたのです。あと20回/3=7回くらいは当たるだろ、という思考ですね。信用3倍で売りも始め、その結果500万がゼロになりました。(レバレッジは借金も残りかねないですから、0で本当によかったです。)

高校の20万と大学の50万を両方ゼロにしています。つまり、この時点で僕は2回破産してるようなものです。

ビットコイン

さて、僕が二度目の破産をした頃、古くからの知り合いがビットコインで億り人になりました。たしか2017年くらいでしょうか。

僕も5万円くらいから参加してみました。当時は1btcが60万円くらい、2018年までに一時300万近くまで上がったアゲアゲ相場でした。

僕に情報が回ってくるくらいですから、当時の様相はバブルそのもので、そこらの姉ちゃんもみんなして仮想通貨と言っていたような気がします。OOOさんも問題起こしてましたよね。(なんで未だにテレビに出ているのか、僕にはわかりません)

さて、流石にランダムウォーク上の裁量取引(適当にルールを決めずなんとなく取引すること)では勝てないと思った僕は、少し進歩して、自分でpythonを使ってマシーントレードを勉強し始めました。クオンツのスーパーしょぼいver.みたいな事を自分で始めたのですね。自動取引を自作していたのです。よくTwitterで流れてくる、自動で毎月30万円!を地で行こうと思いました。

過去データを研究し、投資ルールを作ってはバックテストして、実際に金をかけてみるのです。

いくらデータでも、過去は過去なので、ランダムウォーク上まずアルファが出るわけがないのですが…当時の僕は希望しか持っていませんでしたから、とにかくデータを触って投資手法をプログラムしていました。

この頃は勝ち負けもありますが、シンプルにコーディングが楽しいということもありましたね。文系でほとんど機械に触ってこなかったので、知的に楽しかったです。

取引所のAPIの仕組みとか、デバッグとか、遅延への対策とか。エンジニアってこういうことやってんだ、というのは、今振り返っても触れておいてよかったなと思います。

大学卒業後

さて、そうこうしているうちに大学を卒業してしまいました。当時は1億円稼いで中退するつもりでした(日本の大学は卒業に箔がつかないので、中退が一番かっこいいと本気で思っていた)が、稼げませんでしたから流石に就職するしかないわけです。

株式やらビットコインの値動きで頭は麻痺していますから、効率よく稼げて転職市場価値が高い会社に行くしかありません。ということで、2chの就活偏差値の上から順に受けていき、受かった一番良いところに行きました。仕事で何を成し遂げるとか、どんなスキルとか、ビジョンみたいなのは一切ありません。とにかく地位と名声と給与だけで就職しました。まぁそれは置いといて。

卒業後も自動売買ですから、働きながらビットコインで運用はしていました。結局大した金にはなりませんでしたが、毎月数万円くらいはプラスになっていました。

その後、何の目的もなく激務の会社に就職してしまいましたから、1社目はすぐに辞めました。ビットコインで生活費を稼いでいたわけでもなく、かつ雑所得で最大55%税金がかかりますから、これで生きていくのはきつい、と思って投資会社に転職したのが2018年です。ここでも自動売買のプログラムは動かしたままでしたし、一部裁量トレードも再開していました。

短期投資時代のお金の使い方

さて、先述の通り、短期投資は期待リターンが年100%どころではないですから、5万を1億にするという思想なわけです。この当時のお金の使い方ですが、一言で言えば”ケチ”以外の何物でもありません。賢約/倹約ではなく、ケチです。

短期投資をしているときは、目の前の1000円が数十万の価値に見えてしまう(完全に皮算用)わけですから、金を使う必然性がありませんね。今1000円使うよりも、貯めて種ゼニにしたほうがいいのです。

結局証券口座に500万入っていた時も、1円も出金していません。もっと贅沢しておけばよかったなと思っていますが、欲望には終わりがありませんから、多分1億になってもまだ増やそうと考えて、使う前にどこかしらで結局ドボンしてたのでしょう。

後述しますが、彼女とデートしていてもめちゃくちゃケチでしたし、デートの最中もトレードしていましたから、完全に中毒者のそれです。

目の前の学業や仕事から逃げ、楽しいトレードをぽちぽちやって、勝ったり負けたりしながらとにかくケチに過ごす、というのが当時の日常でした。あれ?これって…?

なぜ投機/トレーダーを辞めたか

さて、そんな僕ですが、2018年の冬あたりには短期投資をきっぱり辞めたのでした。ここからはその理由と、今だから思える短期投資の副作用みたいなところを書いていきます。

実業の成功者に諭されたこと

僕が短期投資を辞めた一つの大きな理由は、たまたま縁あって知り合った、実際に実業で成功した方と話している時に、そのままだと3億稼いで上がったら不幸になるよと言われたことでした。

成功したら不幸になり、途中でドボンしたらまだ幸せになれるかもしれない、と言われました。

創業した企業が上場し、数百億の資産を作った人でした。お金と幸福について聴くにはこれ以上にうってつけの人はいません。

もちろん資産の量ではありませんが、それに至るまでの人としての成長、周りにいる一時的なバブルで稼いだ人の悲しい末路、現在の思考など、今まで自分があったことのない性質のお金持ちでした。

この時に初めて、これだけの人がここまで親身に言ってくれてるのはちゃんと考えたほうがいいかもしれないぞ?と思いました。

だって成功しても失敗しても幸せになれないなら、やる意味ないじゃないですか。

金があるのに幸せじゃないという実感

ただし、いくら成功者から諭されたとはいえ、そんなに簡単に改心はしません。

あんたは成功して金もあるからそう言えるだろ、俺は先に金が欲しいんじゃ、と思っていたわけです。

そんな僕が、でも確かにそうだよな。と思うにはもう一つの要因がありました。

それは、実際にお金を稼いでいても全く幸せじゃなかったことでした。

株で500万勝っても、ビットコインで月に50万勝っても、そこに長期持続性や再現性はありません。

もちろん10億とかまで突き抜ければ、安心してぐっすり眠れるでしょう。リスクを取らずに配当だけで生きていけるようになるには、3億は必要です。

それまでは、出金もしないし、金も使わないし、将来への過度にポジティブな皮算用だけしているわけですから、期待値だけ上がって、実力が追いつかず、幸せになれるわけがないのです。

毎日を充実して生きるということから程遠いわけです。

投資と投機

さて、ここまで短期投資と言ってきましたが、短期でトレーディングすることはそもそも投資なのでしょうか。

読んで字のごとく、投資は資本をマーケットに投げ入れる行為であり、投機は機会を手にする行為だと思います。

その意味で、投機とはオポチュニティを取りに行くこと、その瞬間になんらかの歪みを発見し、その差分をアービトラージすることが投機です。

逆に投資とは、将来価値に対して現時点で過少な価格がついている対象に対して資本を投じ、その差分が埋まった時にポジションを閉じる行為です。

短期のトレーディングはまさにアービトラージですから、投機と言ったほうが適切でしょう。

ここに短期投資(投機)の辛さがあります。

僕は毎日色々な商品(株式、為替、ビットコインなど)で需給の歪みがありそうな機会(オポチュニティ)を探して、そこにbetするという、まさに投機を行っていました。

つまり常に、24時間、1分1秒、あらゆる商品を見て、どこかにチャンスを探すわけです。

普通は逆にどこかしらにbetしたい、ポジションを持っておきたいという思想にかられますから、気が休まることもありませんし、ゆっくり人とコミュニケーションをとるとか、自然と戯れるみたいなことは全て無駄になります。

彼女とデートに行っても、トイレで価格をチェックするわけです。幸せになれるでしょうか。

あれ、もしかして俺、中毒じゃね?

話が逸れましたが、もしかしたらこのままだと不幸になるかもしれないぞ?と思った僕は、いろいろな書籍を読み始めました。

ギャンブルについての本、確率、統計、テクニカル、ファンダメンタル、ウォール・ストリート、金融理論の本。

そんな中の一つで、中野信子氏(賛否ありますが、本は読みやすいです)の「脳内麻薬」という本を読み、その中に書いてあるギャンブルや薬物、タバコなどへの中毒症状と自分の短期投資への症状が全く同じである事に始めて気づきました。中毒というのは当の本人は気づいていませんが、基本的に外部の要因に欲望をコントロールされている状態です。

たぶんですが、短期投資には中毒性があります。どこにでもチャンスが転がっている(ように感じる)し、時には短期間で普通に働いていたら手にできないほどの金が手に入るのです。

僕は根がわがままですから、何らかの外部要因に自分の行動や思考がコントロールされている、無駄な行為に時間を使っていると考えると、いてもたってもいられなくなりました。この俺が、パチンカスや競馬狂と同じなのか、と思うと、悲しくなりました。

ただ、このように本を読んで内省できたことなど、僕は昔から読書だけは好きでしたから、自分を客観的に見る、自分の葛藤をどうにか解明したいという思いはあったのはせめてもの救いになったと思います。

短期トレードは世の中をハックしにいくこと、誰にも貢献していないという気づき

短期投資の中毒当時の僕の思考は明快で、自分がやっている事に意味なんてないのは気づいていますが、まず自分の欲望を満たそう。そのあとに社会のために生きよう、ということでした。

しかしそれがいつになるかはわかりませんから、時間には制限をしたほうがよさそうです。そこで当時の僕は、28歳くらいまでに3億作れなければ、1年で会計士でも取って社会復帰すればいいやと思いました。(当時24歳)

これは一定説得力のある(?)言い訳だと思っていて、マズローの欲求仮説のように、まずは自分の根源的欲求を満たした後に、初めて他者貢献とか言えるんじゃね?と思っていたのです。そして僕は若かったですし、試験勉強には圧倒的自信がありましたから、まぁ最悪のケースでも死なないだろ、と思っていました。これはなかなか今の僕でも論破が難しい、いいロジックですよね。笑

1クリックで50万稼いだ奴がコンビニでバイトできるのか?

ただし、ここに短期投資の最も大きな副作用が隠されていると今なら思うことができます。

僕は株式トレードしていた時の1日の最高益は50万くらいだったと思います。1クリック、適当に(自分なりに分析はするのですが)買った株がストップ高になれば、1日で多大な金が動くのです。

そのお金は僕が何らかの貢献をした対価でしょうか。全くそんなことはありませんね。

つまり、短期トレードで成功すると、分不相応なリターンが手に入ってしまうのです。

1クリックで50万円稼いでいた人が、時給1000円のコンビニで先輩にいびられながらバイトできるでしょうか。

会計士になっても最初は時給換算で2000円くらいのものでしょう。やってられないんじゃないでしょうか。

社会との繋がりがなく、能力もない。これ35歳とかでドボンしたら詰むのでは?

もう一つの気づき(当たり前なのですが、)として、短期トレーダーで年取った時に失敗したら、何が残るんだろうか?ということです。

いくら途中までうまくいっていても、35歳でドボンしたとしましょう。その時に僕にできるのは、FXや株で歪みを見つけてぽちぽちする能力だけです。

それがうまくいかなくなったということは他のことをするしかありませんが、なんの能力もなく職歴もない35歳のおじさんにできる仕事は想像ができますね。

僕は昔から、とにかく効率よく、最短の努力で最高のリターンを、と考えて生きてきました。

でもよく考えると、「楽してコスパよく」でいいわけがないのです。楽して稼ぐというのは、自分の実力、能力以上の対価をどこかから持ってくることです。

分不相応なわけですから、これはそこらへんに転がっているチャンスではありません。となると、どこかで限界がくるわけです。

ここにきて、結局、ファンダメンタルな自分の能力をあげるしかないんだ。ということに気づきました。

短期報酬思考になるとトリッキーな行動に出る

少しタイムリーになりますが、とあるベンチャーで経理責任者が30億横領したことがニュースになっていましたね。

どうやらFXに使い込んでしまったようです。僕にはこの気持ちが結構わかります。

エルピクセル、元取締役が約30億円横領容疑で逮捕——事業継続に向けサイバーダインやジャフコらが追加支援、TomyK鎌田氏も代表取締役に

短期投資をしていると、常に成功しているフリ、羽振りのいいフリをすることになるでしょう。本質的に長期持続するリターンではないと気づいているから、内心は不安なわけです。

余裕がないときに、人はトリッキーな行動に出ます。親の金を使い込むとか、夫婦で貯めた金をFXで使い込むとか、会社の金を着服するとか、カードローンで投資をするとかですね。負けが込んでも、まだ取り返せると思って人の金を使うのです。

中毒と気づいてないのは、本人だけですけどね。。。

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会社の口座からおよそ29億円を着服した疑いで、エルピクセル元取締役の志村宏明容疑者が逮捕された。逮捕容疑は2018年4月~2019年1月、会社の口座から複数回にわたり、自身の口座に計約29億4千万円を送金・横領した疑い。志村容疑者は当時、経理担当者として会社の資金を1人で管理しており、着服した金の大半を FX 取引に充てていたとされる。

個人の可能性を時価総額で考える:recurring revenue>>>big flow revenue

さて、ここで少し頭の体操をしてみます。上場している会社はすべからく、時価総額という会社の価値を示す指標があります。株価x発行済み株式数で計算されますが、要はその会社がどれだけこれから稼ぐか、というのを市場参加者が予想して価格を決めていると考えていいです。

では、個人にも時価総額があるのでしょうか。これを考えてみましょう。

現在のあなたが30歳で年収500万円。40歳で800万、60歳で1200万円と仮定しましょう。65歳までの40年間、平均750万円稼ぐとすると、750×40=3億円があなたの時価総額ですね。

デイトレーダーについても考えてみましょう。

あなたの所持金が100万円で、50歳までに10億稼ぐ可能性が1%、5億が4%、1億が10%、5000万20%、1000万25%、500万20%、ゼロ20%だとします。

副業でバイトして、年収200万を足すとすると、あなたの時価総額は5350万+8000万(200万x40年)=1.3億です。

もちろん10億トレーダーになる可能性にかけるのもいいですが、期待値としては随分しょっぱい結果になりますね。

題に書いている通り、big flow revenue(大きいけど一時的な収益)よりもrecurring revenue(毎年確実に立つ収益)の方が、確実性が高い分評価されるわけですね。

あとはそのrecurring revenueをどう高めるか、というのが重要なのですが。

ファイナンス理論をちゃんと勉強してみる

ファイナンス、金融についてちゃんと勉強してみると、リスクとリターンの関係、継続的なアルファを創出することの難しさ、長期での価格と価値の収束などがわかってきて、短期トレードの優位性のなさをよく理解できるようになります。

その上で、資本市場の存在意義、資本主義の仕組み、人類の発展へとどんどん視野が広がっていくのです。

ぽちぽちトレードしていた頃の視野からは想像ができないような場所へ興味が広がり、そこでちゃんと適切な付加価値を提供する対価としてお金をもらう。

これは知的にも面白いですし、分相応だし、再現可能性が高く、まさにrecurring revenueをあげること、個人の時価総額をあげることにも結果としてつながります。

終わりに

はじめにでも書きましたが、完全に短期投資を否定している訳ではありません。短期投資は資本市場全体で見れば、流動性を提供しているわけですし、社会的にも無意味であるとは言えません。競馬や競艇よりは圧倒的に分のあるギャンブルだと思います。

また、継続的なアルファが出づらいと述べましたが、局所的なパニックや明らかな需給の崩れに限って言えば、アルファが出ると思います(ただ、僕みたいな普通の欲望にまみれた凡人ではまず無理です)。なぜなら投機とはオポチュニティを探すことであり、そういう人はアルファが出ると確信できない場面にもポジションを張ってしまうからですね。中毒です。

また、短期投資でリターンを得ている人の全員が不幸だとも思いません。それ以外に没頭する事のできる色々な趣味があったり、あるいは余剰時間を何かに費やす事が出来るわけですから、本当に持続的に勝てるなら、やれば良いと思います。(長期投資については別記事で書きますね。)

僕が短期トレードをしていたのは、実に16歳から24歳の8年間、この8年にいろんな金融商品を調べ、トレーダーの友人も増え、プログラミングも楽しく勉強できました。

そうはいっても、その間の幸福度が高かったかというと、はてなが残ります。少なくとも、現実に向き合って努力するということからは避けてきました。

お金への囚われ、短期的な欲求というのは、ゼロになることはありません。これからも、自分にとってお金とはなんなのか、というのを考えながら生きていくことになるでしょう。

少なくともみなさんには、この記事が長期で後悔のない選択をするための参考の1つにしてもらえれば幸いです。

ほんじゃーね。