タイトルの通り、『さよなら、野口健』(著:小林元喜)を読了したので、感想をば。

賢そうな書評は書けないので、1.読んだ理由、2.感想、3.今後何に活かすか、4.どんな人におすすめか、だけ書きます。

面白かったですよ。

1.読んだ理由

野口健、事前情報ではほとんど何も知りませんでした。アルピニストでエベレストの清掃とかしてた人。どちらかと言うとメディア露出が多く、セルフマーケティングに長けた人だなぁ、くらいの印象しかありませんでした。(その印象は半分正解であったと読後にも感じます。)

そんな人の、しかも自著ではないマネジャーが書いた本をなぜ読もうと思ったか。

それは最近僕が読んだ本で最もエキサイティングだった、『早稲田三畳青春期』著者の高野秀行氏のツイートを見たからでした。

高野氏の魅力はまたどこかの機会で紹介するとして、彼が取り憑かれるほど面白かった(とまで言ってないけど)と言うのなら、一度読んでやろう、と思い読むに至りました。

なので今回は特に深い目的とか課題意識はなく、どちらかというとランダムに手に取ってみたという形になる。

2.感想

内容には深く言及しないが、本を読んで真っ先に思ったのは、「この生まれにしてこの生き方ありだなぁ」という、ごく当たり前のことでした。

彼がなぜ、亜細亜大学在学中に7大陸最高峰の最年少記録を狙ったのか。その後の、参院選の出馬を含めた政治家との蜜月、なぜ彼が「愛国心」にそこまでこだわるのか。その全てが一つの背骨として彼が抱える明確な囚われによって説明ができることを理解できた。

濃い顔で甲高い声のテンション高い人、というイメージくらいしかなかったが、そもそもエジプト含む5カ国の血が入った混血で、幼少期のいじめや海外の寄宿学校での不遇の時期など、本人にしかリアリティのない物凄いエネルギーが彼を現在の形にしたという事実。

本人にしかわからない、あるいは本人すら明確に理解できていないかもしれない野口氏のリアルが、著者の綿密な取材と経験によって、非常に躍動感を持って納得できる形で入ってくる本でした。

本書には、「野口は登山家としては3.5流」、と語る山岳ジャーナリストのコメントが登場した。その発言の真相はどこにあるのか。

読書前の「大したことのないセルフマーケター」という予想と、とはいえエベレストの清掃、富士山の清掃をムーブメントまでにした彼の功績は、功罪を白黒で分けられるほど単純なものではないと考えさせられたのでした。

3.今後に活かす

本としてエキサイティングなのはありがたいことですが、せっかく数時間を費やして読んだ本が、これからの自分にどんな影響を与えうるのか、これを読んで自分の生活をどう変えるのか、を考えないことには、ただの浪費になってしまう。

自分がこの本から学んだことがあるとすれば、エネルギーが出る対象とその原動力というのは、必ず個々人にオリジナルのその人らしさや、先祖代々つながるその家自体の環境が関わっているということです。

自分の今後の道を決める上で、もう一度自分の囚われを客観視し、これまでの意思決定や今持っている葛藤が、なぜ自分にとって重要なのかということを、再認識したいと思っています。

その上で、野口氏のようにエネルギーの出る目的を設定し、さまざまな課題やハレーションを産みながら、それでも成し遂げたい何かを見つけていきたい。

4.おすすめの人

この本をおすすめしたいのは、強烈なエネルギーを持って何かに向かっている人です。

そんな人は本を読む暇なんてないかもしれないけれど、だからこそそういう人に読んでほしい。

自分を突き動かすエネルギーはなんなのか、そのエネルギーは本当に社会にいい影響を与えるようなアウトプットを生み出す駆動力になっているのか。

シンプルに生きようとすればするほど、葛藤を避けて生きるようになると思います。

手近な例として、強烈なエネルギーを持って自らの囚われに爆進している人間を客観的にみてみることで、今一度自分の道を振り返ることになると思います。